空の暗闇は月を磨く

夜空見あげて 涙ぐむほど推しが好き

【ネタバレ】2022/1/22昼夜『中島鉄砲火薬店』

いざ!今年の観劇初め!本日は『中島鉄砲火薬店』を観に行ってまいります!

今回の観劇はきょうのマチソワ2公演のみなので、きょうが終わればいまのところは刀ステ綺伝まで観劇どころか現場の予定もありません…

ああこれから先のことを考えるだけで寂しい…去年も1月末のマイリマから4月1週目のワンマン(※当方は及川光博さんのファンでもあります)まで予定がなかったなあ…

 

 

 

 

1/22(土)

朝に慌てて塗ったジェルネイルが大きく剥がれてしまったことにすこし落ち込みつつ、安定のレッドブルで速攻ブルーベリーを流し込みます。あまりにも野蛮な行動ですが、レッドブルがおいしいから仕方ないのです…

 

きょうはバタバタしていたので初台まで電車に行くことにしました。しかし渋谷から井の頭線に乗り換えとは…いままでサジェストされなかった検索結果だったのですこし新鮮です!帰りは新宿まで歩こうかなあ〜

 

会場に到着しました。ただただ新国立劇場ということしか考えていなかったのですが、昨夏のモリステのときとは入口が違い「???」と思ったら、あ!!!そういえば!!!チケットに小劇場って書いてあった!!!(モリステは中劇場でした)(いまさら)

当たり前にチケットに書かれた座席番号に見覚えがないはずでした…そういうことか…ということは、会場の場所以外はまったく初めましてですね!より一層ワクワクしてきた!☆

 

グッズ列に並ぶと開演時間に間に合わないかも…とご案内いただきましたが、スタッフさんの裁くスピードをみて間に合うと思ったので賭けに出てみました。

全然間に合った!グッズ販売の個人ブロマイドって、他の作品ではよくキャストさんごとに番号が振られていると思うのですが、今回はその番号が振られておらず、キャスト名か役名かどちらで言った方が伝わるのか悩んだ以上に、推しの名前を言う恥ずかしさから「パンフレットと…松井さんの…ブロマイドをお願いします…」ときもーち小声で言ってしまいました。はずかちい!!!笑

 

マチネおわりました。中劇場と勘違いしていたことから客席に入ってようやく己の座席をきちんと把握したのですが、会場の規模もあって思ったよりも近かったなあ〜!

規模の小ささからライブハウスや映画館に来たような感覚になったのですが、ロビーの雰囲気などはやはり新国立劇場の格式の高さを感じました。ラグジュアリー。モリステで中劇場がめちゃくちゃ好きになったのですが、小劇場も大変魅力的ですね…!好き!

モリステのときはご時世もあってお店が閉まっていたのですが…今回はマチソワ間に大好きなHUBで1杯いただきます!ハブエールを燃料に感想書くぞ〜!

 

ソワレおわりました。マチネは上手でソワレは下手とバランスよく観ることができてよかったなあ〜!☆

 

 

島鉄砲火薬店

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ゆほくん演じるは、甘利さんとともに新撰組だった登さんに復讐を図る、内山さん。

 

内山さんのご出身が大阪ということで、これでもかとお得意の関西弁を繰り出します。個人的に初めてゆほくんの関西弁の演技を生で見れたことがうれしかったです…!

ゆほくんの標準語のときの声色ってどこか角張って聞こえるのですが、関西弁になるとその角が削れてほんのすこしまろやかになる印象があります。すごく感覚的なんですけども…前々から(過去の出演作の円盤で)ゆほくんの関西弁の演技をみると、どうしてか肩の凝りがほぐされたような気分になるんですよね…心地よいというかなんというか…

 

思った以上に作品がコメディタッチで登場するキャラクターの皆が皆どこかネジが外れているなかでも、内山さんはボケるときもあれど、どちらかというとツッコミ役というか常識人でした。ツッコミの瞬発力の速さはさながら、キレがめちゃくちゃよくて、内山さんがひとことツッコむだけでも場が引き締まる印象を受けました。関西弁同様にゆほくんの強みがこれでもかと活かされていて大変よかったです…ありがとうございました…!

 

甘利さんのキャラクターというよりは思考や企みが父親の敵討ちも相まってちょっとジメジメっと陰湿なのですが、それをほどよく中和させる相棒・内山さんのすこしトーンが高めでどこか人懐っこくてドライなキャラクターのバランスのよさよ…

甘利内山コンビ、イメージ的に「東の高校生探偵・工藤新一」と「西の高校生探偵・服部平次」みたいでよかったなあ…せやかて工藤!

 

パンフにて、内山さんについて「普段の自分と似ている部分は感じつつも一つ決定的に違う部分があり…」と仰るゆほくん。

内山さんとゆほくんがまったくもって同じお人柄だとは思わないものの、決定的に違う部分とは一体どのような部分なんでしょうか…?また、それを明かさないところがゆほくんらしいなあ〜と思いました。このひとの秘密主義っぽいところがわたしのオタク心をいつも擽るんだよなあ…つい追いかけたくなっちゃう…

 

中島家のお馬さんが打出の小槌なる葉蘭「金玉廉」の親株を食べてしまうシーンがあるのですが、まさかそのお馬さんの脚と尻尾をゆほくんが務めるとは…!笑

黒子とは言えないほどに衣装どころか顔嵌めパネルのようにゆほくんのお綺麗なお顔がしっかり見える布を上に被っているのですが、そのときの表情と言ったら!!!虚無オブ虚無!!!なにその表情!!!ジワジワくるう!!!好き!!!笑

 

刀を構えた瞬間にガラッと空気感変えるのマジでやめてほしい。好きすぎる!!!(語彙力皆無)

 

 

作品としては、新撰組であった中島登さんの息子・登一郎くんがいままでずっと別々に暮らしていた登さんと浜松で暮らしはじめるところから物語がはじまり…

登さんの過去の走馬灯や土方さんと会話をする夢を挟みつつも、登さんが(お人好しすぎるあまりに)軌道に乗った剣術道場や耕した畑の地権を無償で譲ったり、ともに闘った同志と再会したり、登一郎くんに夢を語ってこころを通わせたり…と日々を過ごしているなかで、過去に殺した親友・甘利さんの息子が登さんに復讐を企てる…というところでしょうか。ああ毎度ながら物語の説明が下手すぎるんだなあ、わたしは…ほんとうに上手く説明できなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです…

思ったよりもずっとコメディタッチで、正直上演時間の3分の1は笑った気がするほどにお笑いシーンがたくさんありましたが、他人を自分のことのように思うあまりにどこまでも自らの身を投げ捨ててしまう不器用な登さんの生き様に、そんな登さんの振る舞いを「いつものことですから」とやさしく受け止めるヨネさんの懐の大きさ、殺してしまった親友の息子の復讐に対する登さんの覚悟など…しっかりと人間ドラマが描かれていて、じんわりとこころに響く作品でした。おもしろかった!!!

 

ああ、登さんが愛おしくてたまらない。わたしは幕末明治好きでも佐幕派の人物に詳しくないために登さんとは初めましてだったのですが、初対面の人間にここまで主人公を好きと思わせたら、実在した人物を描いた作品としては大成功だと思います。すばらしい。

だって…新撰組として数々の修羅場を潜り抜けてきた凄腕なのに、そのことを家族にも隠して、質屋さんなのに無料でお金を貸したり、登さんの情報を得るために家に忍び込んだ鶴亀兄弟に握り飯をあげるなど、やさしすぎる不器用さん、というギャップはズルい、ズルすぎる。ヨネさんが登さんにゾッコンになる気持ちがよーくわかります。わたしよくひとに「ダメな男につかまらないようにね」と言われるのですが、思わずその言葉を噛み締めてしまいました。登さんはよいひとだけども…マジできをつけよう…

てか、わたしたぶん唐橋さんめちゃくちゃ好きだな!!!鶴亀兄弟が登さんを襲うシーンでふたりを諭すために家から裸足で表に出たのちに家に戻ると座って足の裏の汚れを掃ったり、などとほんとうに些細な演技をされるひとで…わたしこういう演技できるひとにマジで弱いんですよね…!パンフで唐橋さんご自身が仰っていましたが、ほんとうに演技がお好きなんでしょうね…!

 

登さんのお人好しさゆえにお仕事をことごとく手放す→ヨネさんはそれを受け止めて登一郎は悲しんで家を出る→あたらしいお仕事を見つけて軌道に乗って親子の仲を深める…というくだりが完全にテンプレになってて面白かったなあ…こち亀読んでいるような感覚だった…!笑

 

開演時間の5分前にアナウンスが流れたあとに、まだ着席していないお客さんがいらっしゃるなかで音楽が流れると、登さんが部屋に入ってきてゴロンと寝転んだのちにときどき寝返りを打ったり足を掻いたりするのですが、それをみて思わず(ねこあつめみたいだなあ〜)と思ったのはどうかナイショにしてください。だからわりと早い時間の段階でもグッズ販売の列で開演に間に合わないかもしれない~とスタッフさんにご案内していただいたんですね!なるほど納得しました!ご案内ありがとうございました!

 

序盤に流れるアコースティックギターとストリングスの曲がめちゃくちゃオシャレで個人的に結構好きでした。序盤はその曲がときどきアイキャッチのように流れる程度でしたが、後半になるにつれて物語が盛り上がっていくとともにほかの曲も長めに流れるのがこれぞ舞台における音楽の効果的な使い方なのか…!と思いました。勉強になります…

 

ヨネさんヨシさん姉妹が清々しい。わたしは基本的にどのような作品でも女性キャラがあまり得意ではないのですが、いやあ、わりと好きですね…!ヨネさんの懐の大きさはもはや言わずもがな潔いのですが、ヨシさんのあっけらかんとした性格が気持ちよいったらありゃしない。お友達になりたい!いっしょに甘味食べにいこう!わたし甘いものすこし苦手だけども!笑

あと男性陣がめそめそしたりじめじめしているのですが、それに対するバランサーとしての役割もあったのかなあ、と思いました。しかもこの姉妹めちゃくちゃ早口で大きな声でマシンガンのようにおしゃべりをする上に、全体的に暗めの衣装に身を纏った男性陣に比べて赤とか黄色とかわりと華やかな着物を着ているので、登場してピーチクパーチク話すだけでも若干湿っぽくなった雰囲気が場面転換をしたかのようにガラッと変わるんですよね…よき…!

 

登さん大島さん亀の泥酔3人組が中島邸に戻るシーンで、マジでアルコールの匂いとむわっとした温かさをこの身に感じました。ソワレで登さんがひとり大の字でひっくり返ってるのがかわいかったなあ…ちなみにマチネでは灯篭に小便をしていました!そんなことしちゃだめですよ!笑

 

石田さんがあまりに挙動不審で謎キャラだったのですが、まさか、かの有名な斉藤一だとは…あまりにわたしの斉藤一像がるろ剣の作画(もしくは江口洋介さん)だったので牙突のように意表を突かれてしまいました…!笑

 

パンフレット。登さんのご子孫である中島さんと伊藤さんと唐橋さんの座談会が大変興味深かったです。なによりも伊藤さんの新撰組愛がすごい。登さんの近藤さんの絵に対する解釈とかとんでもない洞察力でよい意味でゾっとしました。

あと、唐橋さんのお亡くなりになったひとの思念などはクラウド化されててこちらから強く思えばアクセスできる瞬間があるんじゃないか、というお考えにひどく感銘を受けました。パンフのキャストコメントにしてもツイートにしても…唐橋さんの語彙力というかセンスというか…とってもアーティスティックな方なんだなあ、と思いました。いやほんとうに今回マジで何度でも言いますけども、わたし唐橋さんめちゃくちゃ好きですね…

 

物語やキャラクターのタッチが全体的にエアリーで、舞台装置も衣装も音楽もめちゃくちゃシンプルで…個人的にどんなコンテンツにおいてもメリハリがあって派手でクセの強い濃ゆいものが比較的好きな人間なのですが、まさかここまで楽しめるとは思いもしませんでした…!非常によい観劇経験をさせていただきました…ありがとうございました…